祭りとは
七百年以上続く、秋の例祭
AN AUTUMN RITE MORE THAN SEVEN CENTURIES OLD
橘喧嘩だんじり祭は、単独の祭りではありません。橘海正八幡神社の秋季例祭で行われる数多くの行事のうちの、ひとつです。
由来
橘海正八幡神社は、1269年(文永6年)に現在の橘町大浦、かつての橘浦村江ノ浦に再興されたと伝わります。その秋季例祭が、この祭りの起源です。
神社の宮司を代々務める家系に伝わる古文書からは、遅くとも江戸時代の末期には、いまとよく似た形の祭礼が行われていたことが確認できます。
舞台
だんじりの行事は、神社の本殿から北東におよそ550m離れた御旅所(おたびしょ)を拠点に、橘町の古い町並みで行われます。国道55号の北側にある旧道の周辺が、そのまま祭りの舞台です。
だんじりだけではない
例祭のあいだには、門付け、たたら音頭、船歌、宿振り、巫女舞、獅子舞、神輿の地域内御神幸など、さまざまな神事と芸能が受け継がれています。ぶつけ合いの迫力に目が行きがちですが、それらを含めた全体がこの祭りです。
海とのつながり
橘は漁師町です。そのことは祭りのあちこちに、形を変えて残っています。だんじりの前方にせり出す「槍出(やんだし)」は、うたせ船が網を広げるために使う棒からとられた形で、神の依代としての役割も持ちます。
唄も同じです。たたら音頭には海にまつわるもの(船歌い)が含まれ、例祭の最終日には御船歌が歌われます。宿振りの文句には豊年と大漁が織り込まれ、神輿が巡る先には漁業組合や魚市場が組み込まれています。
世代でつなぐ
四つの組は、総代を中心に、子どもから青年、壮年、古老までが縦につながっています。役割も年齢ごとに決まっており、打ち子は小学生、宿振りや獅子舞、だんじりの曳き手は若い衆(高校生以上の青年)、女だんじりと巫女舞は女子が務めます。
少子化が進むなかでも、幼いころから関わることで祭りが受け継がれ、その積み重ねが地域のつながりそのものになっています。
文化財としての価値
このように多くの要素をあわせ持って伝承されてきたことが評価され、2016年(平成28年)6月6日、阿南市では県指定として初めての無形民俗文化財に指定されました。